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山菜と大君ケ畑(おじがはた) 06/04/30

 京都で近年開発された野菜、京唐菜の苗を今年も買い求めました。先週土曜日の午後、農業に詳しい友と郊外に出かけ、土産にもらった薹(とう)がたった下仁田ネギとその苗や未発表の京新菜などと一緒に手に入れたのです。京唐菜の苗は幾軒かで分け、わが家の分と下仁田ネギの苗の半分はその日のうちに植えつけ、京新菜は少しだけ炒めて食し、残りを妻は花器に生けて食卓に飾っていました。長けた下仁田ネギは、捨てる部分を試食してみました。

 長けた下仁田ネギは脇からヒコバエを出させるためにもらいましたが、根っこから10cmほど下の部分を畑に植えつけ、上の部分を少し試食したのです。焼いてみたところ、薹のまだ軟らかい部分がとても甘くて美味でした。だから一計を思いつき、残りも捨てずにとりおきました。翌日曜日に農業と植物に詳しい2人の友とNomadを訪ねることになっていたからです。

 滋賀県立大学で「菜園家族」という活動を展開しておられた教員の退官後の拠点、鈴鹿山脈の裾にある大君ケ畑にあるNomadを訪ねたのです。そのお土産に京唐菜や下仁田ネギの苗を加えました。Nomadには、モンゴルからの留学院生や助手も駆けつけてもらっていましたから交流会のようになりました。裏山にも足を踏み入れ、拠点の立地を見学しましたが、水田を作る空間がなさそうな狭い山間にある集落の一軒でした。裏山にはかつては段々畑や茶畑があったようですが荒れ放題です。だから、土産に持参した苗を生かしてもらうには相当の労力を要しそうです。

 昼食は鮒寿司とモンゴルの庶民料理料理を肴に、酒宴のようになりました。蜂蜜酒に始まり、ビールやブランデーが振る舞われ、5時間近くも気炎を上げたのです。わが国が率先して移行してみせるべき循環型生活を話題にしましたが、酔うほどにジンギスカンやこれからのモンゴルについて、あるいは大君ケ畑のいわれや、わが国の肉食とかモンゴルで見たイヌ、あるいは「山上がり」やテントウムシの話題にいたるまで、とめどもなく話題は広がりました。それは、裏山からテントウムシや陸蛭(ヒル)を体につけて持ち帰っていたせいもあります

 わが家には夕刻に帰り着き、同道してもらった2人を無理やり引き止め、長けた下仁田ネギを生かしたトリ鋤を試してもらいました。一般的に、ネギは長けると種を取るために役立てる以外に役立ちませんが、下仁田ネギには生かし方がありそうです。葱坊主をつけた薹の軟らかい部分(根っこの方)が、下仁田ネギはとりわけ身が分厚いだけに、美味しいのです。

 好天の火曜日は終日庭仕事に割きました。温室の鉢植え植物に水をやったり二十日大根などの種まきや鉢植えのベンジャミンゴムの土を変えをしたりした後はもっぱら除草に力を入れました。今のうちに抜き去れば種を落とさせずに済むからです。その過程で1つの異常に気づきました。紫外線が異常に強い日があったようです。畝に下ろしたズッキーニの双葉など、ひ弱な葉が焼きただれたようになっていたのです。過日の異常に濃密な黄砂といい、心配なことが続きます。

 水曜日以降は雨がちでしたが、来客だけでなく市内の大学での講義、かつての顧問先の社長とのカウンター割烹での歓談とか大垣にでかけた他は、庭で山菜の季節を楽しみながら晴耕雨読にふけっています。今週は筍を2軒からいただき、筍の旬を楽しみ、花芽の浅漬けが醗酵し始めましたから鮒寿司茶漬けも賞味し、鮒寿司もNomadの分を含めて2度も楽しみました。

 大垣は、夕刻からの環境活動の会議が主目的だったのですが、午前中の所用が出来ましたから朝から出かけ、夕刻までの間を楽しんでいます。若き経営者との昼食をとりながらの歓談と、顔なじみの女性たちに環境活動の拠点に集ってもらい旧交を温めたのです。アメリカ研修旅行に案内した人たちで、未花ちゃんも子ずれでかけつけてくれました。

クサノオウ(草の王)が咲き始めました。毒草とだけ知っているのですが、どれほどの毒なのかは知りませんし、薬にも生かせるようですが、生かし方を知りません。20年も30年も前からの自然生えですから大切にしている野草の一種ですが、この草に関しては宝の持ち腐れです。

Nomadの拠点となった建物の裏側にある山肌です。かつてはお茶の木も植えられていたようですが、野生の鹿が食べた形跡があったようです。私ならこう生かしたいなどと夢をかきたてながら20分ほどたたずんでいただけですが、蛭に血を吸われた人やズボンにつけて屋内に持ち込んだ人がいたわけです。近くに蛭谷という地名もあります。
羊の肉とネギでつくるモンゴル風の蒸し餃子を準備しているところです。モンゴル料理は、小麦粉が使われるようになって変化に富み、豊かになった、と聞きました。その一品でしょう。妻は手伝いながら、妻流のギョウザを作りたくなったのか、翌々日の夕食時に庭のニラを生かして造っていました。
夏野菜の準備が着々と進んでいます。トウガラシは3種、伏見と万願寺にくわえて京唐菜も育てることになりました。ズッキーニとイタリアンパセリの苗やウコンの根茎を植え付け、ポットや種箱にトウモロコシ、モロヘイヤ、オクラ、カキチシャの種をまき、二十日大根、わさび菜、ニンジンを直播まきしました。

 

初物の筍です。この筍をいただいたお宅の竹薮は不作の年とか。昨年の一番見事な筍と比べると、目方にすれば5分の1ほどでした。でも、堀たてだけに味はよかった。翌日、亀岡の知人も送ってくれましたから、堪能しました。

 

収穫したセリ、宿根ソバ、アイコです(上)。宿根ソバは、2年ほど前に丹後のペンション、自給自足でいただいた苗を鉢で育て(左)、わが家の沢筋におろし(上左)、収穫を始めたわけです。こうしておけばこれから勝手に増えてくれることでしょう。その下手にセリが生えています。

 

醗酵が始まった花菜の浅漬けと鮒寿司茶漬けです。鮒寿司の頭を刻んで温ご飯に載せ、熱湯を注ぎます。骨まで軟らかくなってなっています。鮒寿司は、20年ほど昔までは琵琶湖の湖畔では庶民の食べ物であったのでしょうが、今や鮒が激減しており、たまにしか味わえません。今週はNomadでも鮒寿司が出ました。