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会社人間−会社=0  07/07/15

 生きる根本や生きがいについて考え直させられる1週間でした。きっかけは日曜日の、『次の生き方』の再版準備でした。過日、この本の1部が受験勉強用のテキストに引用されることになりましたが、その部分の最後の数行がなぜ外されたのかとの見直しから手を付け、他にも気になるところを幾箇所か見つけ、行数を増やさずに改める作業に夕刻までかけてしまったのです。その最中に、前日聴講した講演を振り返っています。

 その訴えんとするところは、「工業社会は、資源問題、環境問題、バブル問題を主因として破綻が待ったなしの段階に入った。とりわけ資源小国や食糧自給力に欠ける国の破綻は早い。それらを買い叩ける時代は終わり、売り惜しみされる時代に入ったからだ。次の問題は、水爆の1つか2つが落ちただけで崩壊するような狭い国土の国は戦争を肯定してはならない。私はアメリカを捨て、日本人になった。そして社員700人の会社を経営しているが、すでに社員を工業社会の破綻を計算に入れて導いている。給与を半分にすることがあっても首を切らず、豊かな暮らしを維持してもらう新しい生き方の推奨だ。日本はアメリカのグローバリズムに巻き込まれてはいけない、憲法9条を堅持し、それを誇りにするとともに、新しい生き方に転換してみせ、世界の模範になるべきだ」といったものでした。つまり『次の生き方』と相通じるところがある内容だと感じたわけです。

 曇り空の月曜日は、1人で母屋の中庭の剪定をしました。例年はイの1番に妻と2人で手を付けるところですが、2番目に回していました。しかし妻は人形創りに燃え続けていましたから私は1人で片付けるこにしたのです。まずツツジの刈り込みから始めたのですが、ツツジに覆いかぶさっていたツバキが気になりに、さらに梅が気になり、それらの剪定にまで手を広げてしまい、1日仕事になってしまいました。妻が5時ごろから庭に出てきましたから、山のように出た剪定クズを燃してもらいました。翌日から雨と見たのです。
 火曜日は雨で明け、その後週末まで降り続きました。ですから、書斎の整理と読書、顧問先に届ける一文作りや大工仕事、あるいは「次の生き方」を演題にした講演の準備とその実施に明け暮れています。顧問先に届ける一文は手を付けてからすでに3ヶ月になります。内容は、次の文明に備えた企業になってもらうための提言です。

 講演先では夕食をご馳走になり、帰宅は12時前になりましたが、疲れを感じませんでした。有名な大手企業の大勢の若者に、1人も居眠りをせず耳を傾けてもらえたからでしょう。若い人たちに「恵まれた収入を得ている間に寸暇を惜しみ、次の文明に備えた投資をすべきだ。工業文明に溺れると会社人間−会社=0になる。自己完結能力を備えた人間が残るように投資せよ。そうした人を育めない会社は早晩滅びる」と訴えました。

 かつて私は、ココロでは工業社会に憧れ、商社に勤めて衣服の既製品化とファッション化に努めています。だが、住宅金融公庫が当たり、家を建てる段になると、躊躇することなく緑豊かな田舎を選んでいます。きっと幼児期にカラダで覚えた快適さがそうさせたのでしょう。その後、ココロとカラダが鬩ぎあいを始め、ついにサラリーマンを辞め、「ポスト消費社会の旗手たち」との副題をつけた本を、バブルの絶頂期に上梓しています。こうした履歴も披露しながら、ココロとカラダの合一の必要性を訴えました。

 月曜日にはヒグラシが鳴き始め、ホトトギスも鳴いていたのですが、週末の今は、台風がらみの雨音にさえぎられてか、スズメの鳴き声しか聞こえてきません。


母屋の内庭、手入れ前と後。ここの梅はもう1年放置しておき、来年も実をつけさせようと考えていたのですが、思い切った剪定をしました。本来は、来年に備えて肥料を与え、木を養生させる時期ですが、逆のことをされ。梅の木はビックリしていることでしょう。成長を抑制するためです。
 
先週剪定した旧玄関前の梅ノ木は、新たな芽を吹かせました。窒息死しないためです。樹木は人間など動物とは玉に、炭酸ガスを吸って酸素を吐き出します。いわば私たちの外部の肺です。このたびの大胆な剪定でこの1本の炭酸同化作業をほぼ0にしてしまいましたが、それは木を育てていない人一人の2ヵ月分ぐらいの炭酸同化作業を減らしたことになるでしょう。
梅雨はキノコのシーズンです。スモモの側に、レイシが幾本かと、根元にはこれまで見たことがないキノコが芽生えました。これも異常気象、その原因であろう地球温暖化の影響でしょうか。レイシには抗がん成分が多く含まれているといわれます。

 

  梅雨に入る前の乾燥時に撮影したこのブンブンの幼虫は、今頃どうしているのでしょうか。乾燥から身を守るためか、堆肥を固めて殻をつくり、閉じこもったり、閉じこもろうとしたりしていましたが、今は逆に連日の雨で腐葉土はびしょぬれ(写真)ですから、溺れそうになっているのではないでしょうか。本能だけで生きている生物が不憫です。
母屋の内庭の苔に芽生えたキノコです。

九州の友が有機栽培の野菜を送ってくれました。玉ねぎやジャガイモとかニンジンで、大歓迎です。わが家の畑は日照不足ですから、とりわけ豊かな日照を好む玉ねぎやジャガイモは作らなくなりましたし、ニンジンや大根はわが家の畑では端境期です。
ポッポがいよいよニワトリ(庭の鳥)になりました。このツガイだけでなく、単独の1羽が住み着いてしまいましたが、こうなる過程で考え込まされることが多々ありました。それは、またいずれかの機会に。