アイトワのホームページ
アイトワ循環図
初めてのこと恥ずかしいこと 08/08/17

 初めて経験することや体験することが多い1週間でした。嬉しいことが多々あったわけです。

 週初めの夕刻に「ゆかたざらい」に招かれましたが、これがその最初です。先斗町歌舞練場で開かれた長唄と三味線の夕べでした。月亭八方さんも「唄だけでは辛抱できまへん」といって上手に人を笑わせた上で、趣味の長唄のご披露でした。その後、招いてくださったレストランのオーナーのお店に移動し、舌鼓を打ちました。日本で始めてトリュフを味わいました。

 月曜日に「ヘビウリを収穫」し、火曜日は「朝食前の畑仕事」つまり畑の水やりで一汗かき、午後は「人形工房の床で昼寝」をしています。これらはすべて初めての経験ですが、特にあとの2つは、古希を意識して、さらに歳をとったときのことを考えた試みでした。

 過日の雷雨のあと雨がなく、畑が干上がっているにもかかわらず、3日続けて水やりをさぼりました。そこで朝飯前の一仕事となったわけです。バケツに40杯分の水をナスやキュウリなどの根元にまきました。それは、先週の当週記で採り上げたサルボダヤ運動がかかわっています。その本部をスリランカに訪ねたことがありますが、その時のノートを取り出したところ、農業を営む知友の夏の1日がメモしてあったのです。本人は水田の水の見回り、奥さんは家畜の餌やりと朝食の用意から始まっていました。そのうちに私も、夏場は夜明けから朝食前の2〜3時間と、日が落ちる前の2〜3時間を庭仕事に割くことになりそうです。今は、朝一番を執筆に当てています。

 アイトワの定休日をいいことに、初めて地下構造の人形工房で昼寝を試みました。冷房せず、扇風機も使わず、地階の板張りから伝わってくるひんやりとした冷気を楽しみました。どうしてこうした一室を居宅にも造っておかなかったのかと、ふと悔やんだほどです。それはともかく昼寝なんて2年ほど前までは考えられないことでしたが、できるようになりました。歳のせいでしょうか、それともこの暑さのせいでしょうか。いいものだと思い始めています。

 月曜日と火曜日は、2日続けて庭仕事をサボりました。屋外に出たのは、鉢植え植物の水やり、水鉢の水の補充とメダカなどの餌やりだけです。先週末の大仕事、裏庭の手入れが少しこたえたのかもしれません。もっとも、火曜日は妻に連れられて両親の墓掃除に出かけています。

 水曜日、妻はヘチマの実をごく若いうちに収穫し、夕食時の甘酢あんかけの食材に活かしました。初体験でしたが「これはいける」と思いました。この夏は他にも、もらいものの種からさまざまな野菜が育ち、今が真っ盛りです。ジュウロクササゲ、ヘビウリ、ヘチマ、そしてヒョウタンの他は名前がわかりませんが、白や黄色の花を次々と咲かせ、実りつつあります。

 木曜日は庭でまた大奮闘しました。木陰の囲炉裏場一帯を1日がかりで整理したのです。そのせいか、その夜は8時半にバタンキュー。病気でもないのに8時半から熟睡するなんて、これも初めてのことでした。翌朝は3時半に目覚め、執筆です。次の本の最後のまとめに入っています。おかげで久しぶりに、夏虫の未明の大合唱に付き合いました。その後週末までの2日間は、寝込むこともなく、昼寝もせずに、庭仕事についています。本格的な雨がほしいところです。

 恥ずかしいこともありました。まず恥じ入るような新聞記事から始まりましした。これまで自分が何を恐れていたのか、それがはっきりした気分です。これまでは自分のどこかに、得体の知れない不安を抱えていたのですが、それが間違った「人権」観にあったことがわかったのです。この体験の下に、自分を言い聞かせる言葉を作り、「ここは」というところで思い出せるようにしたい。ならば少しはましな人間になれそうです。そんな気がしています。

 週末の早朝からツクツクボーシが鳴き始めました。初鳴きで。残暑になった知らせです。

 
「ゆかたざらい」の会場風景。コーヒー、ソフトクリーム、サンドイッチなどを日本髪姿で浴衣がけの女性が配ってくれました。その後の夕食は賑やかでした。美山の天然鮎の塩焼きからはじまり、途中でイタリヤの白トリュフのパイ包み、歌(右)、終わりのほうでカレーもでました。

ヘビウリ。わが家の菜園で初めて収穫しました。1.5m以上の長さに育っていました。その中に入っている種の数は、わが家で食材にした分から(お裾分けした部分に入っていたと思われる数を)推測すると、10個ほどでしょうか。ゴーヤの種に似たところがあります。右の写真は2本目ですが、3本目が実を結んでいるのが見えます。

初収穫のトウモロコシ。なんとも素朴な味です。月曜日から毎日1本ずつ雲南省の少数民族をしのびながら食べました。食べ飽きず、むしろ懐かしくなる味です。しかし、実はかなり硬い。近年日本などで生食用に改良された品種は、高い糖度の維持だけでなく、成長しきった粒になっても硬くならことを目的にしたのでしょう。

ヘチマの甘酢あんかけ。久しぶりでわが家の菜園でヘチマができましたが、初めて若い実を収穫し、食してみました。この柔軟性のある感触は独特で、毎年作ってみようかな、と思い始めています。別途、体洗いに使う分として3本を残していますから、種は十分取れます。

今年も、仏前の花と山の幸のお供えは、庭の作物と頂き物で間に合いました。幾軒かのお宅でも、わが家がお裾分けした野菜などをご先祖様に供えていただけたかもしれません。なぜか私は、こうしたものを買ったもので済ませたくないのです。

木陰の囲炉裏場一帯の整理。杉やクヌギの木の手入れをしたときに、切り取った枝などを、それはそれなりに気を使って積み上げましたが、そのままになっていました。もっとましな積み上げ方があると思い、このたび積みなおしました。まもなく生ゴミなどを堆肥にする山を作りかえますが、それまでに済ませておきたかったのです。

カマキリがセミを襲う場面に付き合いました。これも初体験です。金曜日の夕刻、5時過ぎのことです。妻が庭に、2度目のお茶を運んできてくれたときのことで、妻が見つけました。こんなに大きな獲物を狙うのね、と妻が驚きましたから、私は「人間はクジラも襲うよ」と応えました。