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 直観とカラス並み 13/09/22

 雨で明けた週初めは、初めて聞く小鳥(?)のさえずりに心をひかれ、海詩で賑わい海詩で終わったような1日になりそうだ」と思っていました。ぼつぼつ海詩一家は神戸に到着か、と思われる頃から風雨が強まり、ついには台風18号による大騒動に追い込まれます。

 TV番組を深夜まで見たあと、1時前に1人で庭に出て温室の風雨対策をこうじました。ついでに、1年ほど前に4か所で手を打った大雨対策の、屋外にあるコンクリプールなど3か所を見て回り、居間に戻りました。ずぶ濡れの体を拭い、ナイトキャップ(ジントニック)を楽しんでいたときのことです。警報ベルが鳴ったのです。屋内の1か所、井戸からの警報です。「さあ大変」、2時半でした。今度は2人で、雨合羽に身をかため、先ず人形工房の井戸に飛んでゆきました。次いで、さまざまなマンホールなどを点検し、排水ポンプを取り出し、井戸で使いもしました。

 結局、徹夜になりましたが、大した被害を出さずに済みました。それはわが家の低部にあるコンクリプールが見事に機能し、井戸も危険な事態には至らず、山手の隣家から流れ込む水に備えたダムも(少し手を加えて)役目を果たしたからです。いずれも「直観」に基づく対策でしたが、期待通りに功を奏したのです。しかも、風雨が収まった朝方に、小鳥(?)と思ったさえずりの正体まで分かったのです。前日同様に鳴きだし、妻が玄関で初見の夏虫だと突き止めました。

 月曜日は薄日で明け、ヘリコプターが旋回して渡月橋一帯の洪水を空から報道し始めた10時過ぎから、太陽がさんさんと輝き出しました。早速、庭を見て回ると、畑では夏野菜の支柱が倒れ、見通しがよくなっており、木陰では足の踏み場がないほど落ち枝がありました。雨量は一昼夜で500mm近かったようです。先月末に特別警報制度が敷かれましたが、早々と京都で発令されたわけで、先が思いやられます。それだけに、「あの判断でよかった」と胸をなでおろしています。それは、前回の大雨による被害の復旧よりも、被害の再発防止を優先したことです。

 徹夜のせいかカラダを重く感じました。しかし2人で庭に出てよかった。妻には、支柱ごと倒れたゴーヤやツルムラサキなどの整理を頼み、その残渣を果樹園の一角にある堆肥の山に積んでもらいました。私は強風で倒された背の高いモロヘイヤやハナオクラなどを立て直し、新果樹園の手入れもし、風が落した枯れ枝などの整理に手を付けました。この間も見舞いの電話が続き、すっかりココロも軽くなりました。おかげで、わが家のシンボル・智照尼さんのカエデの剪定にも手を付け、仕上げています。妻は「佃煮にする」と言ってナラタケモドキというキノコを採っていました。夜はすこし多めにアルコールを摂取、風呂で体を温め、バタンキューです。

 翌日もさまざまな作業に手を出しました。冬野菜の育苗設備の構想を練りながら、当面の育苗を円滑に進める小道具をありあわせの材料で作りました。妻はコウシンダイコンなど根菜の種を直まきしながら、実り始めていたイチジクのカラス対策を講じては、と私に迫りました。その私のプランを説明すると、「カラスには羽がありますよ」と冷やかしたのです。なぜか私は、「カラスの身になって考えてみろ」このバカ、とばかりに切り返してしまったのです。

 水曜日から一泊出張でしたが、帰宅すると、「美味しそうなのが採れました」といって大きなイチジクを食べさせてくれました。留守の間に、渡り廊下のドアーができていました。金曜日には丸窓の飾り格子を網田さんが届けてくれましたし、屋根張りも始まりました。それに気を良くしたわけではありませんが、週末の昼過ぎまでに一畝耕したうえに、まず白菜の苗から畝におろし始めるなど庭仕事に励んでいます。そして夕刻から恒例のアイトワ塾のBBQパーティです。これから私はピザを焼く調理釜に火を入れなければなりません。
 


ハッチの上に水が溜まっていた

あわてて汲み出しました

集めた水を落差を活かして排水していた
人形工房の床下にある井戸の水位が異常に上がり、警報が鳴りました。過日ハッチで蓋をし、あふれ出ないようにしましたが、そのハッチの上に水が溜まっていました。あわてて汲み出しましたが、それ以上水が溜まらないことが分かりました。次にコンクリプールを点検すると、満杯になっており、見事にその集めた水を落差を活かして排水していました。

日曜日はこの虫のさえずりで目覚め、てっきり未知の小鳥の声だと思っています。玄関先あたりで鳴いていると分かりましたが、電灯をともすと鳴きやみました。徹夜した翌月曜日の朝、再び鳴きはじめ、「これだ」と妻に教えました。妻はソッと行動し、玄関の鉢植えのそばに座り込み、ついにその正体は突き止めました。小さな初見の夏虫でした。


夏野菜の支柱が倒れた

使えそうな作物はことごとく収穫

様々な花も持ち込んだ
台風一過、夏野菜の支柱が倒れたり、背が高いモロヘイヤなど背丈が高い作物が風で倒されたりしており、その多くを妻に始末してもらいました。その際に、妻は使えそうな作物はことごとく収穫し、屋内に持ち込んでいました。同時に、様々な花も持ち込んでいました。

ナラタケモドキがたくさん出ていたことが分かりましたが、風雨ですっかり痛めつけられました。妻はそのよいところ採りをしており、佃煮を煮ています。雨さえ降っていなければ、この5倍ほども収穫できていたことでしょう。


育苗には不向きになってきました

昼間の直射日光を遮る小道具
温室がいよいよ庭木で日陰にされ育苗には不向きになってきました。ですから、このところの恒常的な異常気候に想いを馳せ、恒常的な育苗装置が必要だなあ、と考えています。次いで、当面の育苗を円滑に進めるために、苗を屋外にとり出して朝日を当てました。同時に、昼間の直射日光を遮る小道具をこしらえるべし、と動いています。

昨年、2本のイチジクの苗を植えましたが、その1本が見事に育ち、実をカラスに襲われました。もちろん私もクヤシイので「これで十分」と思われる防御策を考えました。「それでは不十分」と考えた妻に、「カラスの身になって考えてみろ」となったのです。私は「屋上屋を架す」と見たのです。今のところ「これで十分」のようで、妻の私を見る目がやわらいでいます。もちろん不十分と分かれば「次の一手」を妻に教えています。


家具つくりの技術をいかしたドアー

スダレ造りの技術で丸窓の格子

カラートタンの屋根を張り初めた
鷲鷹工芸の森さんは、家具つくりの技術をいかしてドアーを、網田さんはスダレ造りの技術で丸窓の格子を、それぞれ作ってくれました。金曜日から屋根屋さんがカラートタンの屋根を張り初めています。やがて障子が入りますし、一刻も早くこの空間で、村山光生さん作の「焼き物の電気の傘」を灯したく思っています。