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 同化と香りの歳時記 13/11/03

 なんとも嬉しい献本と贈り物で一週間は明け、お待ちかねの来客で暮れようとしています。この間に、庭仕事に4日も終日割き、気になっていた2つの作業を片づけ、2つの個展と佛教大学の大学祭も訪れています。その合間、合間に、わが家の歳時記の幾つかを挟み込んでいます。

 早々とガスストーブを出しました。それはまとめて採れ始めた冬子(ふゆご)のシイタケを干すためでした。設定温度を、心臓をいためる前の16度から20度に上げましたが、部屋中にシイタケの香りが漂い、柚子干しの前に、新たなわが家流「香りの歳時記」が誕生です。

 2つの個展とは、木具師の仕事「橋村萬象展」と、染色家の奥田祐斎さんが布と石を組み合わせた個展です。橋村萬象展ではギャラリートークの日時に合わせて出かけたおかげで、その歴史や技の仔細を学べましたし、出土最古の「曲げ輪っぱ」を写真で知りました。かつて天皇家に収めていた木具師は4家あったそうですが、橋村家のみが京都に残ったおかげで現存とか。

 日曜日は、シイタケの収穫だけでなく、サフランのおしべの収穫も始まり、秋本番です。冬野菜は順調に育っていますし、先週ポットから畑に下ろしたパセリの小さな苗もうまく根付いています。昼食の野菜のかき揚げうどんが美味しかった。夕刻、収穫期に入ったコイモとヤーコンを一株ずつ試し掘りし、妻の勧めでゴボウも1本抜きました。野菜の贈物はその日の午前中のことでしたが、妻が用意した夕食は筑前煮が主菜。いたく同化を実感しながら賞味しました。

 月曜日の好天と火曜日の曇天のおかげで、両日ともに「よしっ」とばかりに庭に飛び出し、「いつ手を着けようか」と気になっていた2つの作業に関わり、完成させました。スモモの大々的な治療と、ヘチマの棚を常設化する作業です。また、第2次のシカクマメが登っている鉄筋で作った支柱の活かし方も変更を決しましたし、新たな加齢対策を妻と見定めています。

 まず、冬野菜のトンネル栽培で用いた「レース干し」でエンジン始動。次いで温室で、2種のエンドウマメの種をポットにまき、続いて、第2次のシカクマメが育っている畝に、ネギの小さな苗をポットから下ろしました。その上で、ヘチマの棚の常設化と、スモモの大々的な治療に手を付けています。ヘチマの棚は(何年か前から使ってきた)既製品の棚を(場所を指定して)彬さんに立ててもらいましたが、最も適切な場所であったことが分かり、常設化を決しました。スモモの治療は数年ぶりですが、もっと頻繁に手を施すべきであった、と反省です。それは、スモモ好みの樹勢に逆らったことが原因であったようです。妻は火曜日に、秋の観光シーズンを控えたマンホールの点検を実施しており、その過程で加齢対策の必要性に気付かされています。

 佛教大学の大学祭を、後藤さんの車で訪れたのは水曜日です。庭仕事で世話になっている学生が取り組む本来の活動を垣間見たかったのです。キャンパスでは食べ物の模擬店が軒を連ねていましたが、このグループは食器のリユース作業を引き受けていました。池澤リーダーはじめ大勢の顔見知りと出会うことができたおかげで、父兄であるかのような気分になれました。

 木・金の両日もほぼ終日庭仕事に励みました。妻が早朝から(朝夕の時間を活かし)テラスの模様替えに取り組みました。そこで、まずその手伝いから始めており、その関係で「庭木&花苗店」を訪ねたりしましたが、昼間はもっぱら1人で、お待ちかねの来客に備えてハッスルです。フジの徒長枝したツル切り、役目を終えたセージの越冬作業、果樹園の下草刈り、ツツジなどの刈り込み、落ち葉かき、あるいは春一番のフキノトウを期待して、ミョウガの刈り取り、など。

 週末の朝です。これから、阿部ファミリーを迎えますが、その前にブロアーで庭掃除をします。その後、3時に網田さんを迎え、網田さんの車で市内の寄合に連れて行ったもらう予定です。

 


新宮秀夫先生の2著

同時に届いた贈物
なんとも嬉しい献本は、「直耕」という言葉を教えてくださった新宮秀夫先生の2著で、丁重な手紙と「ENEKEN10」などが添えられていました。これらは、「ENEKEN18」と『倹約と幸福』に感動し、返礼として献本した拙著への返信でした。この日、同時に届いた贈物は、九州の友人が育てたまさに「直耕」の野菜。形や色はバラばらだけど、化学肥料を用いず、無農薬で、露地栽培。


ガスストーブでも干します

基本は天日です
シイタケは、採りたてをソテーや焼いて味わいますが、大量に採れたときは干します。基本は天日ですが、冬子は夜分のガスストーブでも干します。このところ、その香りをとても心地よく感じます。それは血圧バランスの関係かもしれません。やがて柚子の皮を干して、その香りに「真冬を実感」することでしょうが、シイタケの乾く香りが新たな「香りの歳時記」になりそうです。


曲げ輪っぱの最古の例
いつも橋村さんの技と繊細な感覚には心惹かれます。この技や伝統は関東では育て続けられなかった、とか。京都に残ったおかげで、公家衆の需要だけでなく千利休に茶器としても見立てられ、現存できた、と控えめでした。曲げ輪っぱの最古の例には、その素朴な機能性に心を惹かれました。


サフランとムカゴ

ムカゴ飯
サフランのおしべの収穫が始まり、今年は少しムカゴも採れました。サフランは毎日、庭のあちこちに点在する花を見て回り、摘み採ります。ムカゴは(かつて庭をイノシシに襲われて、ムカゴをつけるジネンジを根絶やしにされ、途絶えていましたが)やっとこれだけ採れるまでジネンジの蔓が再生し、ムカゴ飯を楽しめました。

紅葉のシーズンを控えた大仕事は、喫茶店の下水や汚水のマンホール点検で、プラスチックパイプとコンクリート(排水)枡の継ぎ目から忍び込んだ木の根を切り取る作業です。複数のマンホールが集まった大きな枡は、鉄板の蓋で覆っていますが、この重い蓋を開ける作業のみ手伝いました。この蓋の腐食が始まっていますので、加齢対策として、重い蓋に代わる策を考えることにしました。


 

食器のリユース作業

食器のリユース作業
まず食器のリユース作業を引き受けているコーナーに案内され、次いで学内めぐり。そして豚汁、焼きそば、賽の目ステーキ、と平らげました。模擬店の裏に陣取り、学生の活動ぶりを眺めることもできました、昼間からビールを呑んでしまい、帰宅して昼寝するなど仕事人りませんでした。昼からは、

食器のリユース作業

模擬店の裏にで、学生の活動ぶりを眺める


before

after
自生のフキ畑にミョウガを混栽し、フキの端境期にミョウガを収穫していますが、春一番のフキノトウを期待して、シーズンを終えたミョウガの刈り取りをすませ、日当たりを良くしました。何十年と繰り返してきたわが家の歳時記の一節です。