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 「方丈」と公共哲学、そして自覚 16/11/20

 当週は、思い出深い1週間になりました。ある2つの出来事が予期せぬ形で重なり合い、私の頭の中で稲妻のごとく「ピカリッ」と光り輝くものになったのです。

 週初は、ルーチンの後、4日ぶりに庭仕事を(中庭の剪定から)再開。午後のオヤツを運んできた妻に「スッキリしましたネ」と褒めてもらえ、これに元気をもらって若木のスモモにも取り組みました。しかし途中で日没。当週のメインイヴェントが控える翌日に夢を馳せながら切り上げました。2人の京大院生を迎え、インタビューに応じる日でした。

 応じた条件は、私の庭仕事を肩代わりしてもらえたら、その分だけ時間を割く。故に軍手と弁当持参で「10時からどうぞ」でした。当日、予報は雨になりましたが、2人は10時前に到着。午後2時半まで滞在、と分かりました。そこで、まず石運びに手を付けてもらいましたが、私は非力を追認させられ、感謝。2つ目の課題も1時間ほどで片付き、降り出した雨を避けてゲストルームに移動。実に楽しい質疑応答になったのです。

 2人は質問係と、機器での記録係を分担しており、準備の良さと連係プレイに感心。昼食をはさんで質疑は進み、公共哲学という概念があったことを知るに至り、感動です。丁度その時に、午後はフリーと知らせたままの乙佳さんが「方丈」の件で来訪です。

 2人の院生にしばし待ってもらい、乙佳さんの用件を済ませましたが、私はピカリッとヒラメクものに恵まれたのです。おかげで、そのころインタビューは山場を迎えていましたが、見事に具体例でクリアーできたのです。その時に、後藤さんの飛び入りです。2日前のルーチン時に大型のラミネート加工を頼みましたが、持参してもらえたのです。

 翌日は「方丈」の縄張りをする日でした。朝一番に、前日院生が動かした石を活かす石仕事をしながら、乙佳さんと親方(ご主人)を待ちました。「方丈」は、方丈記に因んでおり、ポスト消費時代(第4時代)に備えたもので、個を尊重した最低限の住処の試作です。この製作期間を活かし、ある講義の続きができたら、と私は願っています。

 実はこの日、カラダがとてもだるかった。しかし、霜予報が出たので、午後はヤーコンの葉を収穫して干し、次いでズイキを収穫しながら、農業の良さを噛みしめました。

 翌朝はカラダが軽くなっており、農業の良さに感謝です。「あの時、気をつかう軽作業をしておいてヨカッタ」と思いました。熟睡を誘い、体をナマラせずに済んだのです。朝食後、妻と円形花壇の仕立て直しから取り組み、終日庭で過ごせました。かがり火の加齢対策。オクラの跡の畝に野菜の種まき。田辺建設への支払い6種の野菜を混培した畝を大型フレーム育てに変更。そしてコイモの掘り出しと、次々と片づけました。

 翌夜半、右肩が激痛におそわれ、よく眠っていた妻を起こしました。42年来初めてのことですから気が引けました。しかし、むしろ起こして、わが弱味を見せた方が、かえって安心してもらえそうに思われたのです。「案の定」叱られました。

 そのようなわけで、木曜日は午後から庭に出て、囲炉裏場仕事に集中しました。「翌日の心身に持ち越さない範囲で、カラダへのギリギリの負荷をかけること」が、ボケ防止の秘訣、と思っているからです。この日は、午前中は溜まっていた屋内作業でした

 かくして金曜日を迎え、庭には前日同様、午後から出ました。コイモの跡を耕し、自然生えのフェンネルをポット仕立てにし、野菜の余り苗を植え、トウテイランの鉢の整理などに当たった後、1日繰り上げたルーチンに備えてPCの人を決め込んでいます。
 


剪定前

中庭が冬景色に近づき、妻にスッキリ感を与えた
中庭が冬景色に近づき、妻にスッキリ感を与えた。フヨウ、3本立てのナツメ、3本のニンジンボク、そして(翌日にかけて)若い方のスモモ、さらにジロウガキと剪定を済ませた。中庭で残すは、スモモの古木(樹齢53年)だけ、になった。


「玉切り」を雨の被害から守る作業

 
最早私には持ち上げられなくなった石を、2人は「ヒョイッ」と運び終えた。私が(転がして)移動させておれば10分はかかったはだが、1分とかからなかった。己が非力を追認でき、私はある種の悲しさを覚えながら、感謝。2つ目の課題は、2本の立ち枯れ竹を切り取り、それを活かして「玉切り」を雨の被害から守る作業。この間に私は、ウコギやサクランボの木を剪定した。


縄張りを済ませ

 
縄張りを済ませ、親方夫妻を見送ったあと、浪人時代に覚えた「方丈記」のアタマを振り返った。同時に、この小さな平面が立体化する過程で、お茶の時にでも、「あの講義の続きを」と考えた。


「これをもって仕上がり」とした

 
院生が移動させた石に加え、私が持ち上げられた幾つかの石を活かし「これをもって仕上がり」とした。いずれの石も、11年前に2トントラック一杯分13,000円で買った石で、古民家を壊したときに出た廃材。65歳で短大を辞め、5年間を石仕事に当てたが、この選択も「ヨカッタ。5年などアッという間だ。「 行く川のながれは絶えずして、しかも元(本)の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」とつぶやいた。


腐葉土の初利用の準備

鋤きこむ部分を私が耕す
円形花壇の仕立て直しは、年に2回の作業。まず、腐葉土の初利用の準備。妻が運び出してくる前に、鋤きこむ部分を私が耕す。妻は、カブトムシの幼虫がイッパイ、と大喜び。地ならしと苗の植え付けは妻が担当。私は周辺の草刈りなど掃除。

カブトムシの幼虫がイッパイ

地ならしと苗の植え付けは妻が担当


田辺建設(門扉の修繕など)への支払い

6種の野菜を混培した畝
田辺建設(門扉の修繕など)への支払いは、取りに来てもらい、話す機会にした。切り文字の取り付けは、初体験であったとか。ホームビルダーを目指している人と分かった。見送った後、6種の野菜を混培した畝フレームを大型に取り換えたりコイモの掘り出しに当たったりしながら、「仲良くなりたい人だ」と思った。

フレームを大型に取り換えたり

コイモの掘り出し


かがり火用具を常設

薪束ね、クズ薪の整理

エンジンソーで処理する分や薪ストーブ用に
備蓄する分への仕分け
囲炉裏場の側に加齢対策としてかがり火用具を常設し、瞳さんの世話で別注したビニール袋で覆うことにした。翌日は午後、囲炉裏場仕事に取り掛かった。薪束ね、クズ薪の整理エンジンソーで処理する分や薪ストーブ用に備蓄する分への仕分けなどを済ませると、残ったクズの山ができた。これで風呂を焚けば、冬場でもゆうに1か月は焚けそうだが、佛教大生の焼き芋つくりの焚火に供する。だから、晴れ間は干し、雨の間はカバーをかける日々が続く。

残ったクズの山ができた

雨の間はカバーをかける