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アイトワ循環図

それは性差か。自然の力か 12/02/05

 自然の力に驚かされることが多い1週間でした。まず「熾(おき)」の力。それは大量の椿の剪定クズを燃やした熾です。温度や熱容量だけでなく、目には見えない他の威力があるようです。焼き芋だけでなく、妻の発案で夕食用のジャガイモやデザートのリンゴなどを焼きましたが、とりわけジャガイモにニンマリ。おもわず妻と目を見合わせました。

 旧玄関前の掃除を、やっと済ませました。これまでに、梅の剪定くずなどは片付けてありましたが、残っていた落ち葉をサラエやブロアーで掃除するだけでなく、イノシシが掘り出したミヤコワスレやムラサキシキブを植え直し、スコップやツルハシまで持ちだして、イノシシがシホウチクの筍、ジネンジョ、あるいはミミズなどを狙って荒らしまわり、鼻で蹴散らかした石組みの大きな石の組み直しもしたわけです。

 囲炉裏場の南側にある50坪ほどの模様替えが随分進みました。それは富美男さんに2回も手伝いに来てもらえたおかげです。初日は、門扉脇のカエデ、クボガキ、ザクロ、そして北隣のお宅との堺にあるカシの剪定をしてもらい、そのクズを私が片付けました。2日目は、模様替えに手をつけました。これまではタケがはびこり、その薮の中に堆肥の山を築いたり、間伐した木の枝などを積上げたりしていましたが、果樹畑に改める作業です。タケの切り取りは富美男さんが、剪定くずの整理は私が、積もっていた腐葉土のかきとりは義妹が、と3人がかりで取り組み、見通しを立てました。

 妻にも声をかけ、薪割りもしました。野小屋などに備蓄していた太い薪を、風呂焚き用と喫茶店のストーブ用に仕分け、小割りするなどして、風呂の焚き口とカフェテラスの薪置き場に運び込んだわけです。ついでに、ストーブの掃除もしました。

 うれしい贈り物の第一は、2冊の書籍でした。過日11人のグループを迎えましたが、その主客であったご夫妻の奥さんが手がけたもので、植物を慈しむ内容です。今週の美味は、熾で焼いたジャガイモだけではあありません。先週の頂きもの、水戸の納豆を、妻がさまざまに活かし始めたおかげです。楽しい会食もありました。妻の親交がキッカケで親友となった夫妻に招いてもらい、下鴨茶寮で過ごした節分です。歓談の夕餉になりました。

 この間に、「こんな人と怒鳴り合っていたのか」との反省を促す一幕が3度、自然の力に驚かされたことがもう1度ありました。まず自然の力。それは異常な低温がキッカケです。金曜日の朝、居間の室内温度は2度、湿度43%。新記録に驚いて庭に飛び出し、点検して回りました。雪の積もり方の差異などに首をひねらされたのです。温室の引き戸は凍てつき、やっと踏み込めた内部の水鉢や水槽にも1ミリほどの氷が張っていました。

 「今さら」ではありませんが、反省うながされた一幕の相手は妻です。妻と17回も食事を共に出来たのもよかったし、週初めにホーム炬燵を広縁に出しておいたのもよかった、と思います。多々妻の言動に触れる機会があり、発想が私とは正反対であったことを再認識です。「道理で、話が噛み合わなかったはずだ」と気付かされたり、「私は言行不一致であったのかも知れんナ」と過去を振り返ったりしています。

 ひょっとすれば、これは性差の問題かも知れない、と考え始めています。もしそうなら、本当の意味での「女性の時代」になってほしい、と真剣に想い始めています。本当の意味とは、男性との「つば競り合い」をそそのかすような男女同権ではなく、女性がその特色を最大限に発揮できるような時代になれ、との願いから出ています。

 

熾の威力。それは昨年暮、富美男さんが母屋の庭で梅と2本の椿を大胆に剪定しましたが、その剪定クズの熾で、まず焼き芋。そのあとでジャガイモ、ニンジン、そしてリンゴを放り込みました。ツバキはとりわけよい灰がとれますが、熾の威力も樹種によって異なるのかも知れません。焼きリンゴは、妻が芯のあとに入れた蜂蜜を、私は熾から取り出すときにこぼしてしまいましたが、それでも美味しかった。

薪割りとカフェテラスの薪置き場の整理。久しぶりで妻を薪割りに誘いました。冬休みの前にストーブで燃やし去った薪を補充するついでに、薪置き場の整理もしました。記念の箕(み)を飾りなおしましたが、それは母が農業で一家を支えていた頃に用いていたものです。今や有り余る薪が取れる庭ですが、当時は樹木のない畑地でした。

広縁にホームこたつを出しました。旧式の電気按摩器をとりのぞいたあとを、省エネルギー策の1つとして活かしました。好天の昼間は温室ですし、夕刻まで照明不要。耳まで隠す帽子と綿入り半纏(はんてん)をうまく活かせば、昼寝も楽しめます。

門扉わきの剪定は、カエデ、クボガキ、ヤマブキ、黄色い花が咲くザクロ、そして白い花が咲くサルスベリ。大量の剪定くずを私が囲炉裏場に運んでいる間に、冨美男さんは北隣との境界にしているカシの剪定も済ませました。その大量の剪定くずの移動と、これら剪定くずの処理は翌日まわしになりました。

焚き火で始まり、焚き火で終えたような1週間でした。最後の焚き火で焼いたイモは、富美男さんと味わいました。

グロッセ世津子さんの書籍を手に取りながら、穏やかそうなご主人の姿を瞼に思い浮かべました。一度語り明かしたいご夫婦だなあ、と思っています。なぜなら、このお二人のお子さんが体験された、ハーフとしての苦労談に触れかけておられたからです。

水戸の納豆を活かした料理は、納豆カレーうどんに始まり、堪能し始めています。分厚い三角揚げは、同志社大学の町家のキャンパスで開かれた福島県三春町の物産展で買い求めたものですが、その中に妻は、納豆の他に、溶けるチーズ、聖護院ダイコンの葉っぱ、ホースラディッシュ、そして調味料少々を入れていました。