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 つぶれた笊と自己診断 13/07/28

 妻にとっては「晴れた夏の、いつもの朝」だったのでしょうが、私には「うるわしき夏の一日の始まり」と、思われました。なぜか妻は、つぶれた笊(ざる)を取り出して居間の縁側に置き、次いで味噌壺を持ち出して来ました。それから玄関に向かい、長靴をはいて朝食用の野菜の収穫に出ました。これは、2度目に妻が目覚めた時のことで、すっかり朝は明けていました。

 4時に私は目覚めたのに、背中が痛くて屋内に閉じこもっており、妻の動きを観察する一日になっています。いつものように4時半からヒグラシが鳴き始め、次いで小鳥が、そして45分にはキリギリスも合唱に加わっています。5時にカーテンを開けると、夜はすっかり白んでおり、冷たい風が網戸を通して流れ込みました。妻が起き出してきて、私の「腹の虫押さえ」としてサクランボを出しながら、「もう少し眠ります」と言って寝床に戻っていたのです。

 実はこの日は夕刻に、TOSCAの開店二周年記念パーティーがありましたが見送りました。そのせいでしょうか、とても長く感じられる一日でした。アイトワ塾の合宿を振り返っています。二度寝から目覚めた妻の朝食の準備を観察しました。鉢植えの水やりと金魚の餌やりは妻に任せ、週初めのルーチンワークで11時に後藤さんを迎えています。15時に妻が居間の前庭でミツバチの乱舞を見つけ、観察しました。午後のお茶の時間の後で笊の補修にとりかかり、1日が終わりました。

 翌朝のことです。私はこんなに眠れるのだ、と8時間以上も眠れたことを感激です。そのうえで忙しい1日を迎えました。予定通りに9時半から、学外演習一行を迎えました。そのお別れをしているところに柴先生ご一行が到着。ともに楽しいひと時でした。そして3時に、リクチュール企画の関西責任者・中曽根さんを迎えています。中曽根さんを見送る私に、妻は小声で「(シェイプアップをするうえで)よかったですね」と語りかけ、虫押さえの冷やしうどんを用意するために急ぎ足で居宅に走りました。来客が続き、昼食をとっている時間がなかったのです。

 火曜日。妻は、初めて母(はは)子連れの人形教室を試みる日でした。彬さんは2度目の里帰り。私は、彬さんにつき合って終日庭で過ごしています。その間の昼過ぎのことです。橋本夫妻が「近くまで来ましたので」とヒョッコリ来訪。宙八さんの求めで患部を見せ、内出血がほとんどないので、痛みの原因は(骨の損傷よりもむしろ)内臓の強打ではないか、と見立ててもらいました。これしきでは「医者には行かない」と言い張る私に、イモやショウガを活かす治療を施してくださった。橋本夫妻のおかげで、心臓の薬を断っていた自己診断をなぜか誇らしげに感じています。この日は、9時から眠くなってしまい、10時には床についています。

 翌朝は、左足の痙攣で3時に目覚めたのに、良い一日になりました。7時過ぎから急に雨が強くなり、庭を見て回る気になれたからです。これが4重の幸いをもたらしました。思えばこのところ強い雨は、いつも夜分のことで、大水対策を講じた一連の作業の点検が出来ていなかったのです。

 木曜日は、金曜日に日帰りで予定していた出張計画を一泊2日に改めてもらい、関東出張に出かけています。おかげで週末の予定を変更せずに、ことなく消化しています。6人の学生を迎え、終日庭仕事に当たることができたのです。もちろん学生に事情を伝え、私は軽作業にとどめ、学生が新焚火場(無煙炭化器の常設場)作りのための基礎作業と囲炉裏場の総仕上げなどに当たってもらいました。私は新焚火場作りをする過程で掘り出したコゴミとトクサの株を捨てずに活かしたり、ゴーヤのために支柱を補充したりする作業を受け持っています。かくして充実した一週間にできました。振り返れば、それもこれも、大勢の人と関われた一週間でしたが、大勢に人に助けられたおかげだと思っており、ありがたいことだと考えています。
 

この一週間は、このつぶれた笊●から始まったようなものです。いまだに妻が、なぜこのつぶれた笊を唐突に持ち出したのか、不確かです。でも、夕刻にこの補修に私は取り組んでおり、いつの間にかやる気をそそられ、背中の痛さや息苦しさをひと時忘れさせられています。

この腹の虫押さえ・いただきもののサクランボは例外です。普段はバナナが一番多く、次いでいただき物の干し柿や干しイモです。日々5時前後に目覚めますから、まず水を飲み、居間にあるコンピューターに向かい、虫押さえをかじりながら朝食を待ちます。この干しイモは、冷蔵庫から小出しにしてタッパーウェアに入れていた分がカビたので、使い古した歯ブラシで私が洗い欲し直したものです。

受け持った学生を学外演習として講座に組み込み、引率される教員のお一人が、今年も見えました。この先生は(いつも半日コースですが、ご自身は建築家で、工業社会に次ぐ新しい社会の到来を予感されているようで)いつも活発にご自身が質問をされます。それに刺激され、いつも学生の質問が続き、心地よく時間が流れます。

その日に柴先生から「京都に来ています」と電話があり「待ってました」とばかりに時間を空け、お迎えしました。このたびは、有機栽培農業に手を付けようとしているベジタリアンもご同行で、とても楽しいひと時でした。

つぶれた笊の補修ができたのが嬉しくなり、ヘッピリ腰ながら立ち上がれたのが嬉しくなり、温室に椅子を用意してもらい、混合レタスの苗を90本とハナタバコの苗を6本、ポット仕立てにしています。その後、金魚の餌やり、水槽の水替えにと挑戦し、ついにはナスの堆肥入れまで済ませ、日帰り出張を一泊二日に改めてもらって自信をつけ、週末の学生を予定通りに迎えました。

一泊二日の出張から帰ってみると、オオガハスや実生で育ってムクゲなどが咲いていました。また、今年もウナギのかば焼きを届けてくださった人があり、これらにもなぜか元気づけられ、週末の1日を終日炎天下で過ごしています。


チームに分かれ3つの仕事を受け持ちました

全員で新焚火場の基礎作り
6人の学生は、まず3チームに分かれ、3つの仕事を受け持ちました。その後、担当を交換しながら、最後は全員で新焚火場の基礎作りに当たっていました。その簡に、私はコゴミとトクサの株を活かしたり、ゴーヤのために支柱を補充したりしています。妻は炎天を気にしてか、お茶の時間を3回にして、昼食時間を含めて4回の休憩を挟ませています。

トクサの株

コゴミ

ゴーヤのための支柱

お茶の時間