アイトワのホームページ
アイトワ循環図

 『アイトワ 12節』と「地獄の余り風」 16/05/08

 5月の声を聞くとネギ坊主が咲き始めますが、これを好物とするカミナリチョウが早、週初めに飛来。ルチンワークの後の草刈りで見かけました。野草の多くは種をまだ十分に稔らせておらず、この1週間が勝負どころです。アイトワでは3通りの姿勢で野草に臨んでいますが、手始めに、この3通りのどれでもない、厄介なところから手を付けました。それは個離庵前の石畳道です。すべての野草をきれいさっぱりなくしたいところですが、今ではヨモギと三つ葉の収穫場の1つなっており、思案の末の手入れをしました。

 石畳の中央にイノシシフェンスが走っており、片面は土手だしコンクリ桝花壇も並んでおり、ヨモギや三つ葉を摘むのも刈り取るのも厄介なところです。この度は、今後のことも考えながら、まずヨモギの収穫を兼ねた草刈りに挑み、三つ葉畑の部分・3割ほどは残して切りあげ、その後は、日没までに、シカクマメの種をまき終えています。

 3通りの姿勢とは、@特定の野草だけを茂らせ、他はすべて取り除く。A果樹園などのように、野草はことごとく刈り取る。そしてB野草の楽園のごとく、野草を自然に茂らせる、の3通りです。もっともこれは植物園や農家のようなやり方で、アイトワではこのやり方で済むところは一か所もなく、すべてが応用編(その好例が個離庵前の石畳道)です。そのおかげでしょうか、この日は2種の初見の虫が、夜に居間にやって来ました。

 というわけで、夜は、刈り取ったヨモギの整理に妻と取り組み、翌朝妻は(朝食の野菜を収穫する時に)残しておいたミツバも摘み(昼食の巻き寿司に用い)ました。私は朝食後すぐに庭に飛び出し、妻が三つ葉を摘んだあとの草刈りを仕上げ、果樹園に移りました。ここはAであってほしいところですが、果樹の下はフキ、シュクコンソバ、そしてミントを育てており、一筋縄では行きません。また、キエビネランの一角もあります。

 この日は真夏のような好天で、29度C。やむなく麦ワラ帽をかぶりましたが、妻は一度途中で点検に来ており、「きれいになりましたネ」と褒めてくれました。その時の私はなぜか借金と亡き母の口癖の1つ「地獄の余り風」を思い出していました。そのおかげでしょうか、猛暑に耐え、ほぼ草刈りを終えたのです。午後は今年最初の昼寝。2時半まで爆睡。その後夕刻までかけて翌日の準備。夜は、昼寝をしたのにバタンキューでした。

 水曜日は温室寄りの長い1畝を、インターバルを入れながら耕し終えました。インターバルには、サクランボの下草刈り。穂を出したイネ科植物を探し回って除草。あるいは、アザミを間引き、そのアザミで第2次キュウリなどのマルチング。夕刻5時頃から雨。

 週の後半はアメリカから1日研修学生を迎える準備と『アイトワ 12節』と名付けた冊子の最終打ち合せから始まったようなものです。幸い(?)金曜日もまた雨になり、冊子の追い込み作業だけでなく、庭仕事も捗りました。まず木曜日。PC作業の後、庭に出て、ヤーコンを掘り終えるなど多様な作業をこなし、その後は石工に没頭。金曜日は雨バージョン。まずワークルームで面倒なセメント仕事。ついで温室で鉢仕事と言った調子。かくして週末を迎え、面倒な作業と大事な外出に当てました。面倒な作業とは、たとえばホップの蔓の編み直しや畑の除草。妻も、金太に散歩をさせながら、除草の加勢をしていました。

 今年の夏はとりわけ奇妙な畑になりそうです。温室の西側に長さ8.5mの畝が5本ありますが、それらの1畝ごとに5種類も6種類もの作物が育つことになりそうです。

 当週は、大勢の楽しい来店客や印象的な贈物にも恵まれた1週間になりました。
 


コゴミ畑
特定の野草を茂らせるところ@は、コゴミ畑の1つが好例。ゼンマイの土手。ワラビ畑。あるいは、初夏はフキ畑の1つであり、夏はミョウガ畑になる一角もその1例。

ワラビ畑

夏はミョウガ畑になる一角


コケ庭

個離庵前の石畳道

草はブルーベリーなどの根元に敷いた
野草をことごとく刈り取るところAは、わが家ではコケ庭がこれに近い。最近つくった個離庵前の石畳道は、本来ならこのAだが、ヨモギ畑とミツバ畑の1つになってしまった。まず週初めに、奥のヨモギ採りを兼ねた草刈りをし、刈り取った草はブルーベリーなどの根元に敷いた。翌朝、妻が手前のミツバを摘みとった後で草を刈り取り、その草は前日草刈りをしたヨモギ畑に敷き、やがては肥料になる。


新果樹園
新果樹園は(スモモ、ビワ、イチジク、アーモンド各1本、そしてクルミ3本が主だが)野草の楽園Bの1つ。つまり、虫やヘビの天国。ただし、ハルジオン、イネ科の野草、あるいはヤエムグラなどは茂らさないように制御する。ここは「堆肥の山」を築く場であり、「哲学の穴」もある。


ヘラジカを思わせる小さな虫

キラリと輝く小さな動くもの

初見の小さなクモ
ヘラジカを思わせる小さな虫を撮るのに大騒ぎ。その1時間はど後にキラリと輝く小さな動くもの。この夕べ2種目の初見の虫。昆虫が夜の光に誘われる時期であった。週末に、妻は初見の小さなクモを連れて帰っていた。昆虫は地球上に200万から500万種、と言われるが、私はその倍が、と推測する。ただし、絶滅させられている数が一番多いのが昆虫だろう。


長けた夏野菜を抜いて堆肥の山に積んだ

1枚の石畳み石を書庫の裏に
旧果樹園は、フキとハナナ(翌年のために種を落させる)を残して草刈りを終え、「翌日の準備にとりかかった。まず、刈り取った草からヨモギを選び出し居間に運び込んだ。次に、妻に「翌日、耕してもよい畝」を決めてもらい、「長けた夏野菜」を抜いて堆肥の山に積んだ。最後は、1枚の石畳み石を書庫の裏に運び込んでおいた。


コイモを「室」から取り出し

自家製苗を植え付けた

2時間は石工に没頭
多様な作業とは、残してあったヤーコンの掘り出し。越冬させたコイモを「室」から取り出し、あるいは収穫が始まったエンドウの、伸びたツルの吊り足しなど。長い一畝だけでなく、短い部分も耕し、レタスなどの自家製苗を植え付けた2時間は石工に没頭セメント仕事は2度にわたった。この日から週末まで、風呂焚きは私が引き受けたが、その初日のこと、妻は湯船で眠りこけていた。

セメント仕事

セメント仕事


半生めん

手作りリストバンド

オーストラリアの家族
嬉しい来客や贈物にも恵まれた。その第一は、1年ほど学生アルバイトで世話になった女性。2人の息子に恵まれ、ミュージシャンの息子のライブで来阪。ご本人はその間に目を盗み、アイトワへ。旧交を温め、半生めんがとどいた。教えられた絶景に「感激した」と取って返して来て、妻がもらった手作りリストバンド。何時間もアイトワで過ごし「一緒に写真を」となったオーストラリアの家族。週末は、天草のアリエさんから元気のしるし。週末の昼は「ざるうどん」。夜はアリエさん88歳のジャガイモ350gで満腹

天草のアリエさんから元気のしるし

ジャガイモ350gで満腹