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 流行より不易 14/10/12

 週初の2日間は台風18号がらみで、ほぼ屋内で過ごしました。屋内と言っても日曜日の2時過ぎから陽が落ちるまでは温室内で、苗の世話と掃除に携わっています。月曜日は朝一番に庭に出て、台風が夜半にもたらした被害を確かめただけで、朝食後はすぐに書斎にこもり、資料の整理です。思うところがあって書架も整理しており、一群の書籍を見つけています。

 一群の書籍とは、植物辞典のたぐいですが、新たな居場所を妻と相談するために居間に持ち込みました。実は、4年前からアイトワのHPで「今週の花」を紹介していますが、植物の名前を思い出せず「不詳」にすることが増えています。そこで「『植物図鑑』を買い求めよう」と妻と話し合っていましたが、「もしや」と思って書架を探ると、買い求めたかった本があらかた出てきたのです。案の定、妻に「へー、孝之さんにもそんなことがあるのですか」と皮肉られました。

 とりわけ残念であったことは、野草図鑑が出てきたことです。次々と新品種が売り出される栽培種ならまだしも、流行り廃りのない野草の名前を疎かにしていたわけで、悔やまれます。不易流行の心を思いだし、これからは不易である野草を尊重したく考えています。

 朝焼けが美しかった火曜日は、網田さんに9時に迎えてもらい、アイトワ塾の茶道派3人と多治見に出かける日でした。心ひそかに、不易と流行についてじっくり考える好機と思い、誘いに乗りました。出かける前に、風で倒された3つの支柱などを立て直しています。台風一過の心地よい朝日を楽しみながら、ツルムラサキと万願寺トウガラシの支柱は各1本ずつ竹の支柱を加えて、ハナオクラやブロッコリーなど野菜は園芸用の支柱を用いて、立て直しました。

 水曜日は、居間に積み上げてあった一群の書籍を、居間の書棚などを模様替えし、新たな居場所を与えました。庭仕事はその後とのことで、夕刻の2時間余に過ぎません。しかし、物忘れを進行させずに済ませるある試みをしながら当たりました。台風の後始末。レタスの苗を冨美男さんや義妹にお裾分け。そして囲炉裏場で剪定クズを焚き火(焼き芋)用と薪用に整理です。

 木曜日は「今夜はおでんヨ」と、収穫したダイコンを嬉しそうに見せた妻の笑顔から始まったようなものです。曇天の庭には昼食後に飛び出し、このたびの腐葉土を初使用し、2つの願い(腐食の良好な進み具合とカブトムシの幼虫の繁殖)がかなえられていたことを知り、安堵しています。次に、午後のオヤツの時に、妻に2つのカボチャを収穫してもらい、ツルを堆肥の山に積み上げました。ここで雨がパラつき始め、4時半でしたが切り上げています。長い夜は、新聞だけでなく、古山高麗雄の短編などの印をつけたところを整理し、憮然たる気分にされました。

 台風19号を気にしはじめた金曜日は、囲炉裏場の排水路を初めて掃除し、溜まった落ち葉がほどよい腐葉土になっていたことを知り、肥料として活かしました。次いで、新しい看板(リズさんに提案してもらった英文表示)を掲げ、さらんに秋のタケノコ(シホウチク)の収穫です。妻は「ちゃんと知っているのネ」とつぶやきながら、紅葉した柿の葉を拾っていました。この間に岡部さんを迎えており、父親になった心境も聞かせてもらいました。またこの日は、ノーベル平和賞の発表があり、憲法9条ではなくマララさんであったことを残念に思っています。

 週末は快晴で明け、午後から冨美男さんを迎え、柑橘類の剪定などに当たってもらえました。私は前日に引き続いてセメントを練り、ピンコロ石を敷き詰めた居間のテラスの補修に取り組み始めています。その途中で久しぶりに毛むくじゃらのケムシを見つけており、この名前を知らずに過ごして来たことが何故かわびしく感じられました。夜は、風呂焚きをしながら、佛大生を迎える翌日の天気を気にしています。シカの発情期、鳴き声がうるさいほど。

 


書籍をどこに収納し直すべき

仕舞い込んでいたレコード
この一群の書籍をどこに収納し直すべきか、と思案。そのためにほぼ水曜日はつぶれた。2つの納場場所をすっかり模様替えしたが、仕舞い込んでいたレコードも取捨選択したおかげで予期せぬ余禄にありつけた。


舞鶴さん手造りの栗の渋皮煮
岐阜県現代陶芸美術館で「大織部展が開かれている」と聞かされ、誘いに乗った。何よりも楽しい会話の時間を得られそう、と思ったし、当時の流行の一端を知りたかった。その上に、舞鶴さん手造りの栗の渋皮煮を賞味できた。多治見は舞鶴さんが好物のウナギが名物のようで、皆さんが選んだが、そのデザートとして振る舞われた。


夏ダイコン

鍋の保温カバー
立派に育った夏ダイコンを収穫した妻は、即座に夕食のメニューが浮かんだようだ。普段は夕刻に、台所に立ってからメニューを決める妻だが、朝食の用意と並行しておでんを煮つけ、鍋の保温カバーを引っ張り出していた。この日、義妹が一夜干しのイカをくれたので、私は寝酒の肴はいずれに、と考えた。妻は(夕食の準備が楽だから)人形作りにコンを詰めることだろう。


新しい看板

新しい看板
ちょっと事情があって、新しい看板(ワークルームで5カ月も眠らせていた)を急遽立てることになった。残念ながら、この日に練ったセメントでは不足し、翌日も練ることになり、懸案に手を付けるキッカケにしている。そこで、まず居間のピンコロ石を敷いたテラスの目地掃除から手を付けた。それは、余ったセメントを無駄にせずに済ませる用途づくりであった。

目地掃除から手を付けた

セメントを無駄にせずに済ませる用途


イノシシに襲われた腐葉土小屋

カブトムシの幼虫
今週は4度も落ち葉と関わった。まず、過日イノシシに襲われた腐葉土小屋。カブトムシの幼虫が願っていた以上に残っていた。続いて、囲炉裏場の排水路の掃除。これほど落ち葉を溜め、良き腐葉土にするとは、と驚きながら2本の柑橘類の根元に敷いた。そしてシホウチク。柿の葉が紅葉するとシホウチクがタケノコを出す、と妻が頭に刷り込んでいた。最後は、柿の葉寿司。なんと今年は2度も柿の葉寿司にありつけた。2度目は単身の冨美男さんにふるまいたかったようだ。

排水路の掃除

排水路の掃除後

柑橘類の根元に敷いた

今年は2度も柿の葉寿司にありつけた

畑で育てたカボチャ(新果樹園で育てた分は残し)を早採りした●。畝作りが急がれた(エンドウマメの種をまく時期が迫った)関係だ。あまりにも若い実を採るのは不憫であったが、その派手な模様に「迷彩だろうか、あるいは」などと興味を引かれた。


初見のガ

毛むくじゃらのケムシ

今年5種目のカマキリ


初見のガの幼虫(踏みつぶした)


チョウの幼虫

満開期を迎えたアサガオ
今週の昆虫との出会いは、初見のガに始まり、毛むくじゃらのケムシで終わったが、この間に今年5種目のカマキリ、幾種かのタテハチョウ、初見のガの幼虫(踏みつぶした)、そして実生の苗木でチョウの幼虫(これはミカンの成木に移した)を見かけている。植物では、今ごろになって(種をまいたり宿根を植え付けたりした覚えはない)満開期を迎えたアサガオがある。「花を咲かせないなら引っこ抜くヨ」と妻が呼びかけた2日後から咲き始めたものだから、「ヤッパリ聞こえているのネ」とうるさいこと。