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 五感を超えた実体験と文明の本質 16/08/21

 1週間は棚経から始まったようなものです。この度から妻は、散らし寿司など母の好物を造って供え、読経の後、下げて朝食で食し、過去を偲ぶ形に改めました。それがヨカッタのか、午後から待望の雨が降り、畑の野菜や庭の草木は一息つきました。

 翌日は佛教大生を迎える日でした。ですから書斎にこもり、体力を温存しながら「そうであったのか」と気付かされています。たった2週間続いたに過ぎないカンカン照りのせいで、井戸枠水槽の底が見えるまでになっていたことです。疑問です。

 翌日も朝飯前のひと仕事を割愛し、10時に4人の学生を迎えました。好天でしたが「午後から雨の恐れ」の予報でした。そこで、焚き火の準備から手を付けました。火を付けたのは昼食後ですが、それまでに唯一の男子学生は小ぶりのキンモクセイの剪定に、2人の女子学生は書庫の塗装に当たっています。残る1人の女子学生は、焚き木を運んでいた折に暑さと虫に閉口し、人形工房に避難。「お部屋の掃除でも」と申告し、妻にオヤツ運びなども仰せつかっていました。2人の女子学生は、肝心の奥の一面でバチの巣を見つけ、怖がりました。やむなく塗り残させました。かくして昼食。次いで焚火に着火でした。

 「よい燠が出来た」と見るが早いか雨がパラつき、急いでイモを燠に埋け、木陰に移動。早めに午後のオヤツをとり、イモが焼き上がるのを待ちました。結局、焼きイモを手土産に解散です。その後、たいした降りにはならず、私は学生が塗り残した一面を塗り終えて書斎にこもりました。そして、前日の天皇のお言葉にココロを惹かれたり、なぜか70年ほど昔のスズメバチと関わった思い出を、目から鱗を思い出しました。

 もとより週初のルーチンは火曜日にずらしていましたが、その後も屋内で過ごしたのがヨカッタ。この日は「五山の送り火」でしたが、強い雨が降り出したのです。観光客には気の毒でしたが、なぜかご先祖様のおぼしめしに思われたのです。それは、この日届いた便りの1つで、少年が創作した四文字熟語に触れていたせいでしょう。

 水と木の2日は何らアポイントがなく、両日とも朝飯前のひと仕事に当たり、長い畝を耕し直しました。同時に、これらの畝に被せていた防鳥ネットを取り外し、ナスビを切り返した上で、除草、マルチング、そして追肥です。自然生えのトマトが白い実を付け、アイトワトマトにしたく思いました。この間の妻は、町内地蔵盆のお役目についたり、畝を耕す都合で採ったウラナリのトマトやナスビを塩漬けにしたりと、マイペースでした。

 金曜日は2人揃って朝飯前のひと仕事に当たり、妻は火曜日から始めた除草の続き。私は3種目の夏野菜で2期作に挑戦(これはシカと妻のおかげ)です。その最中にこのところアライグマの被害がなくなったことを思い出し、あの時にバットでなくカメラを持っていたら「どうなっていたか」、と反省することしきりでした。五感を超えた実体験を得るまたとない好機を自ら失っていたように思われたのです。残念です。

 かくして週末を迎えました。夏虫の合唱は5時10分にツクツクボーシから始まりました。虫は「秋だ」と教えます。6時前に「朝飯前のひと仕事を」と畑に出てビックリ仰天。2日続けて、妻は獣害フェンスを閉め忘れており、また菜園にシカに入らせたのです。おかげで、文明の本質が見え始めた心境にされたのです。その後のことです。妻が出て来たので、先週編み出した新方式で注意を、と考えていて、今度は私が水道栓を閉め忘れ、サッパリ、ガックリです。この日、初めてカマキリの抜け殻を妻が見つけ、教えてくれました。
 


2人の女子学生

男子学生は3回生で、4度目の来訪

書庫の塗装は2回目だが、2人の女子学生に、塗料(油性と水性)の特色などを説明した上で割り当てた。塗装の狙いは、一番奥の面(雨が泥をハネ上げていた)の再塗装だったが、その面でアシナガバチの巣があり、思案の末、塗り残させた。男子学生は3回生で、4度目の来訪。3人の女子学生は1回生で初来訪。うち一人は卒業後の進路を決めていた。


「息子に礼状を」書かせようとしたが、小学6年生は四文字熟語だけ作った、とその母親。なぜか私は「是非、ジャングルブックを」と返事に書いた。自然の摂理、生きものの掟、それらから人間を引き離すシステムでもある文明に、気付き合いたかった。


1時間をかけて耕し直し

腐葉土も鋤き込んで仕立て直した

長いといっても7mほどの畝だ。先週、この畝にかけていた防鳥ネットを外し、支柱も解体。当週の火曜日にアオジソを収穫。その上で、水木の朝飯前各1時間をかけて耕し直し、金曜日の朝飯前にタップリ腐葉土も鋤き込んで仕立て直した。妻に「ドンナモンダイ」と自慢しようとしたがやめた。かつて一度自慢して、返って来た言葉を思い出したからだ。「無理をしないで」に次いで、「往時は(同じ時間内に)3往復程していました」と返っていた。土曜日まで雨に恵まれず、夕刻に液肥をまき、次週の種まきに備えた。



白い実がつくトマトが自然生えした

アイトワキュウリの候補

アイトワトウガン
もちろん熟れると赤くなるのだろうが、白い実がつくトマトが自然生えした。アイトワ菜同様に、アイトワトマトに選びたい。アイトワキュウリの候補もグングン育っている。アイトワトウガンも一番大きい実で種を採ろう。種の自家採取に努めたい。


日よけのフレームをかけた

薹をたては始めた

「今ごろなぜ、まいたンだ」と尋ねたキュウリの苗を、妻が金曜日の夕刻に植え付けた。だから翌朝、私は日よけのフレームをかけた。これが上手く育つなら3種目の夏野菜の2期作が可能になりそうだ。ノラボウナはこれから種をまくが、自然に落ちた種から勝手に育っており、薹をたては始めた。試食し、OKなら、4種目の2期作が可能かもしれない。



シカは通路に沿って歩んでいた

ツルムラサキ

ハナオクラ
閉め忘れという悪いクセがまた出た。金曜の深夜に、ふと気になり「キュウリの苗は」と妻に問うと、「植えましたヨ」と得意げ。その折に忘れたわけだ。そのオカゲで、実に丁寧に被害の点検が出来た。菜園中の最深部までシカは通路に沿って歩んでいたツルムラサキハナオクラ、そしてキクイモも大好物と知った。


カマキリは何回脱皮するのか

モリアオガエルは、テラスに来続けている

カマキリは何回脱皮するのか。この抜け殻を誰が食べるのか。妻は今週、ヘビの抜け殻も見つけたが、3日後にはなくなっていた。かつて大きな青大将が死んだ時のことだ。数日後に真っ白い骨だけになっていた。モリアオガエルは今週も、テラスに来続けている。トノサマガエルやアオガエルが消えた今、モリアオガエルに気持ちを救われる。