昆虫、小鳥
アイトワの庭では、多くの野生動物が繁殖したり通って来たりして棲んでいます。
特に多いのは昆虫です。毎年、初めて見る昆虫と出会います。
小鳥もたくさん来て、この庭を縄張りにします。時にはウマが合って、餌を手からついばんでくれますし、時々がラス窓に激突し、加療が求められることもあります。
コジュケイ(小綬鶏)
コジュケイはひな鳥を連れて庭にやって来て、チョットコイ、チョットコイとけたたましく鳴きますが、近頃は、たまにしか来なくなりました。
【コジュケイ】キジ目キジ科の鳥。チャボほどの大きさで、形はウズラに似る。背は褐色、腹は黄褐色で、胸は灰色。中国南部の原産で、日本各地に野生化。「ちょっとこい」とかん高く鳴く。(文:後藤佐次郎)
トカゲ(蜥蜴)
わが家に棲むトカゲのオスは青紫がかった縞模様で、これはメスです。
【トカゲ】トカゲ目トカゲ亜目の爬虫類の総称。形態や生活はさまざまで、体長は2cm~3cm。四肢は歩行に適するが、まったく無いヘビ形のものもある。ヤモリ・カナヘビ・トビトカゲ・カメレオンなど世界に約3千種。うちトカゲ科は6百種。その一種のトカゲは、体はやや細長い円筒状で、全長約20cmに達する。体の背面は暗褐色。幼時は背面が黒く、5条の白い縦線があり、尾が青い。尾を自切して敵から逃げるが、尾はまた再生する。叢(くさむら)・石垣の間隙などにすみ、昆虫・ミミズを捕食。北海道・本州・四国・九州に分布。(文:後藤佐次郎)
サワガニ(沢蟹)
1964年、小さな(20坪の)わが家を建て、両親と暮らし始めて間なしの頃のことです。台所や風呂の廃水路に、24時間水質監視員と呼ぶサワガニを、ドジョウと一緒に(よそから連れて来て)次々と放しました。
公共の下水道が来ておらず、わが敷地内で下水を処理する必要があり、天に唾するようなことをしたくなかったのです。
ドジョウは絶えましたが、サワガニは今も棲みついています。
ハスの葉にくるまったサワガニは、2022年8月に妻が庭でつかまえました。
【サワガニ】サワガニ科のカニ。甲は丸みのある四角形で、幅約2.5cm。灰褐色。北海道を除く各地の渓流・河川の砂礫中に穴居。肺臓ジストマの第2中間宿主となる。食用。(文:後藤佐次郎)
ジョロウグモ(女郎蜘蛛・絡新婦)
アシナガグモ科の大形のクモ。雌は最大25mm、雄は約7mm。
【ジョロウグモ】歩脚は黒地で、腿・脛に黄輪を有する。腹背は黄地に3本の緑青色の横帯があり、側面後方に紅斑を有する。樹間に蹄型の円網を張り、その中心に陣取る。
本州・四国・九州・朝鮮・台湾・中国などに分布。(文:後藤佐次郎)
キアゲハ(黄揚羽)
さまざまなアゲハチョウがやって来ます。
キアゲハの幼虫は、パセリやニンジンの葉が大好きです。
【キアゲハ】アゲハチョウ科のチョウ。アゲハチョウによく似るが、翅の基部は黒色。1年に3~4回発生。山頂の草原に集まる習性がある。幼虫は緑と黒の横縞があり、黒色部には各節に赤点がある。ニンジン・セリなどの葉を食害する。(文:後藤佐次郎)
ミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽)
2022年、ついにわが家でミヤマカラスアゲハが羽化しました。60年前に、2本のキハダの木を庭に植えて、育ててきましたが、その成果と見ています。
【ミヤマカラスアゲハ】チョウ目アゲハチョウ科に属するチョウの一種。本種は後翅裏面に白い弓状のラインが現れるが、このラインが完全に消失し、カラスアゲハと区別の難しい個体も存在する。(文:後藤佐次郎)
コノハチョウ(木の葉蝶)
地味な木の葉柄の前翅(ぜんし)の下から、派手な後翅が現れた時は、ビックリさせられます。
【コノハチョウ】チョウ目(鱗翅目)・タテハチョウ科に分類されるチョウの一種。翅の裏面が枯葉のように見えることからこの名があり、隠蔽擬態をする代表的な昆虫の一つに挙げられる。沖縄県指定天然記念物(1969年)。準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)。
カタツムリ(蝸牛)
アイトワでは、現在6種類のカタツムリが確認されています。
【カタツムリ】マイマイ目の陸生有肺類巻貝の一群の総称。オナジマイマイ・ウスカワマイマイ・ナミマイマイ・ミスジマイマイなど種類が多い。5~6階から成る螺旋ラセン形の殻があり、大部分は右巻。頭部の2対の触角のうち長い方の先端にある眼で明暗を判別する。雌雄同体、卵生。湿気の多い時、または夜、樹や草にはいあがって若葉などを食う。日本に約700種。でんでんむし。ででむし。まいまい。まいまいつぶり。(文:後藤佐次郎)
オニヤンマ(鬼蜻蜓、馬大頭)
【オニヤンマ】オニヤンマ科のトンボ。日本最大のトンボで体長10cmをこえるものがある。体は黒色で黄斑がある。(文:後藤佐次郎)
イトトンボ(糸蜻蛉・豆娘)
【イトトンボ】イトトンボ亜目のトンボの総称。普通のトンボより小形で、体は細く、静止時は翅を背上に合せる。池沼の草むらに多い。トウスミトンボ。トウセミ。灯心蜻蛉。(文:後藤佐次郎)
カナヘビ(金蛇)
カナヘビと妻は、あることがキッカケで仲良しになりました。嫁いできて間なしのことです。玄関に脱いであったハイヒールにカナヘビが逃げ込んだ。そこで、追い出そうとして逆さに振ったそうです。出てこない。覗くと、カナヘビが四つ足で踏ん張っていた。
【カナヘビ】爬虫綱有鱗目カナヘビ科カナヘビ属に分類されるトカゲ。形はトカゲに似るがもっと細長く、尾も長い。体が金色(カナイロ=褐色)なのでこの名がある。側面に黒色の帯状斑紋がある。腹面は淡黄または白色。日本固有の種で、本州・四国・九州・北海道に広く分布。かなちょろ。(文:後藤佐次郎)
ヤモリ(家守)
ヤモリがたくさん棲んでいます。夜の明かりに集まるガなどを捕食するために、集まります。特にその子どもは屋内で越冬することがよくあります。
【ヤモリ】カナトカゲ目ヤモリ科の爬虫類の総称。多くは夜行性・食虫性で、鳴くものもある。ホオグロヤモリ・オオヤモリ(俗称トッケイ)など、アジアの熱帯・亜熱帯を中心に六百数十種。その一種のヤモリは、大きさは12cmほどでトカゲに似て平たく、鱗は微小で全体暗灰色。多数の褐色斑が散在。指趾の下面は吸盤様の構造で、これで壁・天井などにつかまる。夜出て、昆虫を捕食。毒はない。本州以南・朝鮮・中国南部に分布。にほんやもり。壁虎。(文:後藤佐次郎)
モリアオガエル(森青蛙)
毎年とはゆきませんが、モリアオガエルが庭で産卵します。
池の上の枝に産卵します。池は生命の泉です。
【モリアオガエル】アマガエルに似て体は青緑色、赤褐斑があるものが多い。樹上にすみ、水辺の樹枝上に泡状の卵塊を産みつける。孵化した幼生は下の水中に落下して育つ。本州と佐渡島の山地に分布。(文:後藤佐次郎)
アオダイショウ(青大将)
アオダイショウが棲みついており、よく姿を見せます。縞柄のアオダイショウも見ます。
【アオダイショウ】ヘビの一種。全長1~2メートル。背面は暗褐緑色、4条の縦線がある。無毒で、餌はネズミ・小鳥など。木登りが巧みで、鳥の雛や卵を呑むことが多い。山口県岩国市の天然記念物シロヘビは本種の白化したもの。サトメグリ。黄頷蛇。(文:後藤佐次郎)
ヤマカガシ(赤楝蛇、山楝蛇)
近年はヤマカガシを庭で見たことがありませんが、昨年、ヤマカガシそくりの柄の子ヘビを見かけました。
【ヤマカガシ】ヘビの一種。全長約70~120cm、水辺で、カエルなどを捕食する。背面はオリーブ色、黒斑が多く、体側には紅色の斑点がある。上顎の奥と頸部に毒腺がある。奥歯は長く、毒牙の機能をも ち、深く咬まれると、腫れることや血が止まらないこともあり、時に致命的。本州以南、朝鮮南部・中国・台湾に分布。(文:後藤佐次郎)
マムシ(蝮)
マムシも近頃は見かけません。2010年ごろに見かけたのが最後(逃げられました)で、その前は1999年のことで、捕らえて、山奥に逃がしました。かつて一度、マムシに咬まれて入院したことがあります。
【マムシ】ヘビの一種。体長約60cm。有毒。頭は三角形またはスプーン形、頸は細く、全身暗灰色か赤褐色(赤蝮と俗称)で黒褐色の銭形斑が多い。目と鼻にある孔器で、餌とする小動物の体温を感知する。卵胎生。日本各地に分布し、古来強壮剤として用いる。なお、クサリヘビ科マムシ属 は、十数種が東南アジア・ヨーロッパ・北アメリカ・中央アメリカに分布。古名、くちばみ・たちひ・はみ。(文:後藤佐次郎)
キジバト(雉鳩)
とても用心深くて手懐けにくい鳥です。それだけに手なずけたくなった時期がありました。
実は、かつてカナリヤのオスや、数羽のインコを飼ったことがあります。インコは小屋の隙間から逃げました。可哀そうなことをしたのはカナリヤです。良い声で鳴き、オレンジ色がかったオスでしたから、しばしば野生化したメスのカナリヤがやって来て、鳥籠のふちにとまったりしていました。
ある夏、籠の中でそのオスが死んでいたのです。視ると、水が切れ、カナリヤ菜も萎れていました。
この時が転機です。庭に、細工や工夫を凝らし始めました。鳥好みの実をつける木をたくさん植えたり、シロハラなどのために、落ち葉が積もる場を増やし、餌あさりをしやすくしたりし始めたのです。いつしか、いつも小鳥がさえずる庭になりました。
近年は、ニホンミツバチを飼うようになり、蜜源となる樹種を増やしています。
【キジバト】ハトの一種。翼の色は大体雌雉(メスキジ)に似る。「ででっぽうぽう」と鳴く。主に田園地域に多く、市街地にも現れる。日本・アジアに分布。山鳩。つちくればと。(文:後藤佐次郎)
イタチ(鼬)
イタチがよく天井裏に棲みついて困らされることがあります。トカゲやカナヘビが好物です。
【イタチ】ネコ目(食肉類)イタチ科の哺乳類の総称。また、その一種。雄は体長約30cm、雌はこれより小さい。体は細長く、赤褐色。夜間、鼠・鶏などの小動物を捕食。敵に襲われると悪臭を放って逃げる。日本特産。(文:後藤佐次郎)
カマキリ(蟷螂)
5種のカマキリが棲んでいます。
【カマキリ】カマキリ目(蟷螂目、学名:Mantodea mantis)に分類される昆虫の総称。前脚が鎌状に変化し、他の小動物を捕食する肉食性の昆虫である。漢字表記は螳螂、蟷螂(とうろう)、鎌切。
ニホンザル(日本猿)
ニホンザルに毎年襲われます。甘ガキの実が(稔った時期ではなく)まだ未成熟な8月ごろ(山は餌不足になるようで)と、シブガキの実が熟す11月には毎年襲われます。
なぜか、余命いくばくもなさそうなサルは、アイトワの屋根で昼寝をするのが好きと見えます。だが庭で遺体を残したことは。まだありません。
【ニホンザル】哺乳綱霊長目オナガザル科マカク属に分類される霊長類。背面の毛衣は赤褐色や褐色、腹面の毛衣は灰色。