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 目の敵(かたき)と「いただきます」 14/09/28

 週初めは「正気とは何か」で始まり、辛い出来事で終わりました。「正気」については舞鶴さんの世話にもなり、目を通したい本を揃えました。辛い出来事は夜分のことで、妻が妹から電話で知らされ訃報です。コメは「この人」からと決めた人の急逝でした。この間に、ルーチンワークの後で後藤さんと楽しいひと時を過ごしたり、庭でハクサイに随分関わったり、大量の薪を風呂焚き場に運び込んだりしています。早くも暖かい風呂がありがたい季節です。

 月曜日も快晴で明け、まず庭に出て野菜の覆いを外しました。この日から晴れた日の屋外ルーチンワークに加えた作業です。このところ、目の敵が視界に入ると何はさておき抜き去っていますし、妻はスモモのケムシを目の敵にしており、見つけると足をとめ、高枝切りを操って退治しています。ケムシの時期が終わるまで、居間周りの水鉢の水替えをひんぱんにしようと思っています。鉢植えや畑の水やりは、この汲み出した水を用いて行うことにしました。

 この日のハイライトは、過日、学生に大石と取り替えて放り出したままの石がありましたが、その転用です。「この歳でこの石が持てたンだ」と思い出す記念の仕事でした。木曜あたりから雨(台風)との予報でしたから、雨を当てにする作業を目論みながらまどろんでいます。

 火曜日は2つのことを心に秘め、目覚めました。まず「今日は一度、終日の時間割をメモってみよう」でした。もう一つの方は、アイトワの定休日にしかできない作業で、それは門扉のあたりから丸見えの離れの出窓の掃除でした。枯れたツタがみっともなくなっていたのです。

 水曜日は、翌日の出張で用いるパワーポイント資料の推敲とリハーサルに随分時間を割きました。この間に、卓道君から電話で出発の挨拶がありました。庭では、秋のカフェテラスを飾る鉢植えを用意したり、苗床育てのチマサンチェの苗を、ポット仕立てにし始めたりしています。妻が夕飯用の収穫に出てきた時に、アイトワ菜を間引いては、と勧めました。居間に戻ると、今年初めて見るカマキリが入っており、それを逃がそうとカーテンを開けると今度はヤモリがポトリと落ちました。なんとも賑やかな家です。でも妻が、こうした賑やかさを喜ぶようになったことを嬉しく思っています。夕食に、青菜(アイトワ菜と揚げ)の煮物が久しぶりに登場しました。夜半から雨が降り出し、豪雨にならず恵みの雨になってほしいと願いながらやすんでいます。

 雨上がりの木曜日は、ガックリすることから始まりました。野菜の収穫から戻った妻から「シカが入った」と聴かされたのです。前日、アイトワ菜を間引いておいて「ヨカッタ」と思いました。東京に出かける前に「何か手を!」と考えましたが、急ぎの用が入り、打てずじまいでした。でも、妻が見送りの車の中で、ラジオを活かす策を思い出しており、頼もしく感じました。

 「イノシシに入られたノ」が、京都を出てから最初に聞いた妻の声でした。「だから」ではありませんが、急いで朝食を済ませ、家路です。近年は若い頃とは違い、用件が済むとそそくさと東京から立ち去ります。帰途の列車は爽快でした。この出張では予期せぬ再会にも恵まれましたし、「正気とは何か」に惹かれ、読書に耽ることができたおかげです。でも、帰宅後は一転。イノシシの侵入は惨状でした。でも負けてはいません。まず、金曜日の午後から週末にかけて「おかげさまで」と言えるように働いています。それは週末に迎えた冨美男さんのおかげも大きい。もう一つは偶然(出てきた1枚の写真と出張時の礼のメール)が重なった「いただきます」で、それは頂き物のサンマを食しながら、命の大切さを痛感です。写真は解剖に供した子ヤギでした。

 今週も、根は1つと思われる(時代の変わり目を彷彿とさせる)ニュースが多々聞かれました。しかし日本の政治は(バラマキ政策など)まだ時代錯誤を繰り返しています。

 

育苗鉢で育てたハクサイの苗を丁寧に畝におろし、残った苗は、予備の苗としてポットで1本仕立てにした。今年は直播きを避けたおかげで異常発生したコオロギ(まいた種を食べる)の被害を免れたが、バッタ(葉を食べる)も増えており畝におろした苗はいつ歯抜けにされるかわからない。前日、瞳さんと電話でハクサイの育て方について相談したが、滋賀でもコオロギが異常発生とか。ちなみに、畝に下ろした苗は、バッタにではなく、木曜日に侵入したシカに踏み荒らされ、予備の苗で補充している。

ケムシの糞がテラスにある水鉢に落ちて、水質をすぐに悪化させるので手を焼いている。そこで、連日のごとく柄杓で水鉢の汚れた水を半分以上汲み出し、水道水を足して中和している。この汲みだした水はジョウロニ入れて畑まで(一輪車で)運び、野菜の苗や鉢植えの水やりに用いることにした。


転用前

転用した
放り出してあった石はとても重たかったが、「サラの樹下のコケ庭」まで一輪車で運び、転用した。数年前までは、この石が「苦もなく持てていたのに」と振り返り、65歳で学校を辞め(5年ほどかけて)石仕事に取り組んでおいてよかった、と思った。妻に後刻、この転用を見せて自慢し「歳を自覚しなさい」と叱られた。


アイトワ菜は立派に育ったものから
順次間引く

アイトワ菜の畝
 

シカに荒らされている
一般的に「間引く」といえば、成長が芳しくない(立派に育ちそうにない)苗を抜き去ることだが、アイトワ菜では逆。立派に育ったものから順次間引き、残った分を次々と大きく育てながら収穫する。ちなみに、この日間引いたアイトワ菜の畝は翌朝にはかくの如くシカに荒らされている


シカの被害

イノシシの暴れようは正に惨状
シカの被害も辛かったが、イノシシの暴れようは正に惨状、このたびはアーチまで立てたトウガンも盗られ、これで5つ中4つまで失い、最後の1つ(7,4kgあった)を早採りした。この日は夏大根(久し振りに育てた)も収穫しており、いただき物のサンマをおいしく頂戴した。妻に「孝之さんの魚の食べ方も(週記に)載せてはどうですか」と勧められ「ドキン」とさせられている。

イノシシの暴れようは正に惨状

夏大根(久し振りに育てた)も収穫


予期せぬ再会
予期せぬ再会だけでなく、大阪の堺市から駆けつけてくださった人(著書をいただいた)、あるいは「動物になって考えよう」とのプロジェクトもプロデュースしている人とも巡り合えたなど、楽しいことが重なり、幸せだった。

著書をいただいた

著書をいただいた


トチュウの大剪定

3つの畝を耕した

一輪車一杯分を積み出した
冨美男さんにはトチュウの大剪定もしてもらい、囲炉裏場はこの通り。私はイノシシとシカに荒らされたのを幸いに、とばかりに3つの畝を耕しただけでなく、崩された堆肥の山を移転する好機として生かし、「おかげさまで」と言うことにした。これは妻が「元通りに積むのではなく、下の堆肥を取り出してはどうですか」と言ってくれたおかげだ。まず一輪車一杯分を積み出した。後は次週のお楽しみ。